神戸市の事例からユーザ内製を考える

神戸市で,特別定額給付金の申請状況確認や,COVID-19の問い合わせ用チャットボットを内製した話が記事になっています.
様々なツールでユーザ側で簡単にシステムを組めるツールがあふれている現在,適切に要求事項が定義できれば,比較的容易にシステムが組めるようになっていますね.

この神戸市の取り組みは,とてもいい取り組みで,様々な自治体にも広げるべきだと思います.

ただし,今回の事例のような要求が明確なシステムならいいですが,なんでもできるかというと,話は単純ではありません.

まず,システム規模を的確に判断して,外注するか内製するかの判断が出来る人材というのが意外にいません.
割と平気でトンチンカンな判断をします.
いわゆるよく聞く1,000万でAWSみたいなの作ってよ!ってやつですね.
規模感がわかってないことがわかってないんです.

それから,要求定義を適切に出来る人材というのが意外にいません.
自分たちが何をしたいか,システムに落とし込んでどう業務改善するかを判断できる人が意外にいません.
割と平気で現行踏襲最優先で無理矢理システムをあわせて誰得システムになります.
何のためにその業務をやっていますか?っていうのを理解されてないと.

他にも様々ありますが,まずこの2点が大きく問題になります.
神戸市のように,SIer出身者がたまたまいる自治体は,これからそこを起点に人材育成できるでしょうが,他の自治体に横展開がどこまでできるかというところですね.
(個人的には,地方自治体の基本的なシステムの根幹は同じなのだから細かいことに固執しないでパッケージ使えば調達価格も負担も減るのにと思ってますが・・・難しいみたいですね)

そのあたりの情報整理だけをコンサル的に頼んで,実装は自前ということもできますが,おそらく多くの自治体はそれも嫌がるでしょうね・・・
役所の方も,不況期に入庁された若い方は優秀な方が多いので,コンサルをうまく使えばもっといろんな取り組みが出来ると思います.
コンサルの選び方にさえ気を付ければ・・・

何にしても,ユーザのリテラシーがより一層求められるということですね.
公共系の仕事は書類仕事が面倒で基本断ってますが,こういうお手伝いは楽しく出来そうですね.

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